経営と「人」
話題としては重いですが、時には経営ブログといたしましょう…。
小さな会社の経営者として
経営で最も難しいと感じる部分があります。
恐らく他の会社の経営者の方々も強く感じておられると思いますが
「人」
の部分です。
成長している会社ならば
自分が人の3倍働いて成果を上げて行く事は皆誰しもがされているでしょう。
しかし
人を使って、となると話はそう簡単ではありません。
家族経営なら社長自らの力量が全てとなるのですが
そこから更に成長していこうすると、絶対的に「人」の問題にぶち当たるのです。
大企業と零細企業では「人」という点でトンデモナイ違いがあります。
私は一部上場している大企業に勤めたことがあるので、その違いが痛いほど理解しています。
大企業では
まず、人が集まります。
いわゆる「新卒採用」で人が集まります。
よく言われている事ですが、中途より新卒の方が有能な人材は集めやすいのです。
そして、入ってきた人材が育つ「しくみ」があるのです。
これは別に、研修制度が大企業だから充実している…なんて事では全くありません。
でも、育つのです。
なぜか。
「型」があるのです。
新入社員がまずやる仕事があり、上司が必ず存在する。
2年目、3年目とステップアップしていく仕事がある。
そしてそれぞれが上司の管理のもと、ある程度誰がやってもできる仕組みとルールが確立されている。
大企業だけに経験の浅い若手一人に収益構造を頼ることが全くなく、少々の失敗は会社経営に全く支障がでることがない。
そして、大企業だけに新卒で入った社員は簡単に辞めない。
このような「型」のもと
新卒の社員がしっかりと戦力化していく仕組が確立されている、という事なんですね。
そしてこんな事は、大企業に勤めている人間にとっては当たり前の事でもあるので
特別な事でも何でもないのです。
それに対して
零細企業ではそうはいきません。
赤字社員が一人増えれば、年間の利益がすっ飛ぶ世界です。
ギリギリの人員で業務をせねばなりませんので、定期的に新卒採用する事は困難。
中途採用はなかなか人が集まりません。また中途採用は早期に辞めるケースが多い。
上司と言っても社長しかいないため、育成は社長次第。
徐々に仕事を覚えていく仕組みがなく、相当の能力とやる気がないとなかなか戦力化しない。
そして信頼して中心的な仕事をしている社員でも、突然辞めてしまう大きなリスクがあります。
同業者さんのブログ等を拝見していても、それを痛切に感じることがあります。
皆さんも人で苦労されているんだろうな、と。
「人」という壁。
零細企業から、大企業とまでは行かずとも
中小企業から中堅企業と言われる会社に成長するためには
このトンデモナク大きな壁を越えないといけないのです。
会社を成長させた経営者というのは
皆、それを乗り越えてきた方々です…!
人を獲り、人を育ててきたからこそ社員数が数百人の会社に成長したのです。
会社として収益を出せるバランスを取りつつ、仕事を分担して人が育つ仕組みができているのです。
この事は、何千人に一人、いや何万人に一人しかできない位の難易度だと思います。
それは人を使えばすぐに解ります…。
正直私はそこまでの成長を頭に描いている訳ではありません。
しかし、今いるスタッフや職人さんの事を思えば
まだまだ成長していかねばならないとも思います。
それが私の大事な仕事です。