やはりドラフトが大事です。
それにしてもドラフトというものは奥が深いというか、答えがないんだろうなとつくづく感じるところです。
どの球団も「思い通りの指名ができた。100点満点。」的なコメントを出すことが多いです。阪神の藤川球児新監督もそれっぽいコメントでした。
1位のクジ引きが当たるのは良い事ですが、それはエンタメに過ぎずドラフトの本番はその後なんです。ウェーバー順で次々と指名されていく中で回ってきた順番で誰を指名するのか。前の球団が指名したら、すぐに指名ですからね。瞬間で判断しないといけないのです。
このダイナミックさがドラフトの本質です。
瞬間、瞬間の判断を2位以下で繰り返して欲しいと思っている選手を指名していく。
当然、ベストと思って判断しているわけですから先ほどのような感想になっていくのでしょう。
対象となるアマチュアの選手の評価っていうのは、あくまで主観に過ぎません。
そもそもポジションの違う選手を比較するっていう事自体無理な話です。
投手と野手を比較するのは全く無意味ですし、野手同士でも内野手と外野手の比較というのもナンセンス。さらに高校生と社会人の比較…そこに答えなんてないわけです。
ネット上で多く行われるドラフト結果の評価や採点を見聞きするにつけ、なんだかなあ…と思ってしまいます。自チームのことを一番わかっている本人たちが考えぬいた指名なのに、外野がどうこう分析するのもどうかと思いますね。
まあ、そんな中でも私的に感想を述べるわけですが^^;
1~3位の投手中心ドラフト。
もちろん、間違ってはいません。
阪神の野手は比較的若い選手が多く、ドラ1カルテットは安定的なレギュラーです。
一軍に関しては外国人野手もいらないんじゃ、という布陣です。
野手は故障リスクが低いので、当面は活躍が見込んでもいいわけです。
一方、投手は常に故障リスクと隣り合わせです。
何年も続けて活躍する投手は稀です。
故障でなくてもほんの少し球速が落ちただけで打ち込まれたりします。
今年の伊藤将司がその例ですし、二年連続最多勝の青柳だって勝てなくなってしまいました。西純矢や森木といった期待の若手もどん底と言えるような状態にまで落ちてしまっています。
リリーフも勤続疲労が出やすいポジションです。
今年は岩貞が全くダメでしたし、島本のパフォーマンスも落ちました。
桐敷や石井が来年、不調になる可能性は十分にあり得ます。
なので油断すると、すぐに投手不足に陥る。
投手はいくらいてもいい、と言われるのはそういう事です。
そういう意味での投手補強は絶対に毎年必要となります。
今年は秋山、岩田、加治屋の3人分の補充という意味で3人の指名は必須でした。
しかし、投手は下位でも好投手が獲れたりするものです。
上位の枠を全て投手につぎ込んだ点については、やや疑問というところです。
次いで4位に町田という捕手の指名。
梅野、坂本に次ぐ次世代の捕手をどうするのか。
これはチームにとって大きなテーマとなってきています。
ドラ1カルテットとは違い、こちらは世代交代が近づいてきています。
長坂が年齢的にないとするならば、現有戦力では栄枝、藤田、中川の3人が候補です。
中川がバッティングで注目されていますが、捕手としての能力はまだまだという評価のようです。
栄枝、藤田についても次世代のレギュラーか…と言われると、何ともイメージが付きません。
そこで新たな候補を加えていく…、そう考える必要性が高まってきていました。
町田という選手の捕手としての能力、そして打撃能力については分からないので私は語れませんが、一軍の正捕手候補たりえるレベルである事を願いたいところです。
そして5位に佐野という内野手。
ショート候補になりうるのか、セカンドも視野に入れた打撃型なのか。
ちょっと微妙な感じはしますが、敢えてここで指名してきただけの評価ではあるのでしょう。
大卒で独立リーグ1年という年齢的にも求められるものは高い。
同い年の遠藤を戦力外にして獲っただけのパフォーマンスがないとダメなわけです。
当然、高寺、戸井、山田、百崎らとの比較競争となります。
それと育成指名。
今回のポイントはむしろこちらにあると思っていますが、長くなってきたので次回にしましょう…。