続きまして(!?)野手編をお届けするわけですが

ここにきて少し動きがありました。


サード 大山   セカンド 鳥谷


これで行く、と金本監督が方針を表明したのです。




それ以前はサードの鳥谷にレギュラー確約を出して

セカンド、ショートを競わせようというものでした。



二遊間の候補として

セカンドに大山、上本

ショートに西岡、北條、糸原、植田、熊谷

と名前が挙がっていたわけです。



ここにきてのサード・大山というのは

これは完全に大山にポジションを与えようという意思決定がなされたことを意味します。

流れ的には


キャンプイン後、大山のバッティングが素晴らしい

  ↓

侍ジャパンの候補に挙がるほど注目もされている

  ↓

これはいよいよチーム内でレギュラーのポジションを与えないといけない

  ↓

セカンドで競わせる方針だったが、いざレギュラーとして固定を考えると守備面の不安がある

  ↓


ならばサードでポジションを与えて鳥谷をセカンドに回そう




と、なったわけです。



もちろん、大山がシーズンで結果を出せなければ再びサード鳥谷もありえるわけで、まだまだ流動的になると思います。


基本的に私個人としては、この決断には大賛成です。


そもそも、サード鳥谷に拘る必要など全くないんです。実績があるからと言って固定概念に拘ると、結果が出ないときに外す決断が遅れます。ちなみに私は鳥谷という選手が大好きで特別な思い入れのある選手ですが、それでもチームとして拘りすぎてはいけないと思うのです。


実績のある選手に拘りすぎると、不調のまま使い続けることになる期間が長くなり、結果チームとしてマイナスとなるのです。




昨年の鳥谷はキャンプ・オープン戦でショートのポジション争いで北條に後れをとりました。そこでセカンド鳥谷という路線になりかけたところで、サードを予定していたキャンベルがケガだの何だので使えないということで急遽サード鳥谷になったのですから。


なのでサードというポジションに鳥谷ありきで考えること自体に私は違和感を感じていたのです。


そして、大山。

金本監督の大山に対する評価は、特別なものを感じます。

結果はともあれ、私はこれは必要だと思います。



まさに鳥谷が若いころ、ショートのポジションを「与えられた」からこそ今の鳥谷があるわけです。


よくコーチなどは「ポジションは奪うもの。競争だ。」などと言われます。もちろん正しいのですが、そうするとチャンスを分散して与えないといけなくなって中途半端な便利屋ばかりになってしまうのです。



鳥谷以降、阪神ではポジションを「与えられた」選手がとうとう現れることがありませんでした。それほどの選手を獲れていなかったのが最大の原因ですが、起用側にも問題はあったと思うのです。


少々の波風を立ててでもポジションを「与える」ことが時には必要です。一年間通して起用すれば、それなりの結果を出してくる選手がいると思うのです。


私的にはレギュラーを「与えて」もよかったと思える選手としては

上本(実際レギュラーを張った年はそれなりの成績を出している)、伊藤隼太(守備に目をつぶっても)、古くは桜井広大(ケガもありましたが)などが挙げられます。


さて、今年の大山はどうか。

うまくハマれば20本塁打もあるかも知れません。
(ちなみに昨年は7本塁打ですが、レギュラーとしての打席数で考えれば倍の14本は打てる計算)


そして大山の「特別待遇」により、影響が出る選手も数名。



まさに、上本です。

先ほども名前を出しましたが、バリバリのレギュラーであってもおかしく「なかった」選手です。

アマチュア時代からの実績は抜群の野球エリート。さらにイケメン。スター選手候補であったはずでした。

小力のあるバッティング、そして盗塁できるレベルの俊足は十分なレギュラークラスです。ただ守備はイマイチというレベルでセカンド専門となります。

入団時は平野という選手がバリバリのレギュラーで、平野が不調に陥ったときにチャンスを掴みかけたと思ったら西岡が入団してきました。


西岡の相次ぐケガで一度セカンドのレギュラーを獲りましたが、一昨年の金本監督就任でまさかの冷遇。昨年、意地を見せてレギュラー奪還したのですが、秋に手術。手術後ということでキャンプも二軍スタートでレギュラーポジションは白紙に戻されてしまっています。


その上本が、またまた冷遇されることになりそうなのですね…。鳥谷が不振ということもありえなくないので、チャンスはゼロではありませんが開幕は間違いなく鳥谷でしょうから。


「持ってない」というのか、何なのか。


そしてショートを争う選手たちにしても、セカンド鳥谷が聖域化されてしまうとチャンスは減ります。


キャンプ情勢から言うと、糸原が一歩リードで西岡が追っているようです。北條は目立っておらず、植田海の俊足が目立っています。このままでは控え枠も北條より植田になるかも。ルーキー熊谷は、まだよく分かりません。


実は糸原は本来セカンドやサードの選手で、ショートの守備はそれなりです。北條の守備も、苦しい。二人とも本来はセカンドに回っていってほしい選手なんですね。西岡もそうですが、セカンドが鳥谷で埋められることによって彼らの出場機会が減少するでしょう。




一方で、微妙にチャンスが出る選手がいました。


陽川です。


昨年のウエスタンリーグで21本塁打、2年連続の2冠王。

ウエスタンでホームラン王獲っているのでチャンスをやらない、なんてどうかと思うのですが…、サード鳥谷固定の昨年は難しかったわけですね。


しかし昨年の秋季キャンプで猛烈なアピールをして、現在一軍キャンプで踏ん張っています。


しかし陽川は二遊間ができないファースト、サードの内野手です。それが今年はファースト・ロサリオ、サード・鳥谷でチャンスがないか、と思われた年。


ここでサード・大山ならば、もしかして大山が不調の際のチャンスがあるかも知れない。
もちろん、バッティングで西岡や北條などを上回らないといけないのですけどね。



一ポジションに一つしかないレギュラー枠。さらに出場機会となっても限られているものなので、誰かが出たら誰かが出れなくなる。


「特別扱い」がある一方で「冷遇」される選手も出るでしょう。そこが首脳陣の腕のみせどころでもあるのですが…。



ともあれ今年のキーマンは


大山、ロサリオ、糸井あたりになるでしょうか。


そして注目が


西岡、中谷、そして密かに陽川…かな。


ともあれ、楽しい季節(^^

スポーツ新聞の熟読が欠かせない季節です(笑)